OBP-702
『ニッチながん』への応用
概要
次世代テロメライシン®OBP-702は、がんのウイルス療法テロメライシン®(OBP-301)に、がん抑制遺伝子p53※を搭載した次世代テロメライシン®です。p53は正常なヒト細胞にも存在する強力ながん抑制遺伝子であり、これとテロメライシン®を組み合わせたより強力な抗腫瘍効果を持つウイルスとして開発を進めています。OBP-702を投与することで、テロメライシン®の特徴であるテロメラーゼ陽性のがん細胞において特異的に増殖し破壊する機能に加えて、がん細胞の中で発現されたp53蛋白質ががん細胞を自然死(アポトーシス)させる機能を有しています。
これまでの前臨床試験の結果では、テロメライシン®と比較し、抗がん活性が約10倍~30倍高いことが示唆されており、さらに、間質細胞(CAF:Cancer Associated Fibroblast)を破壊する機能も認められています。今後、p53遺伝子の欠損・変異が多く認められているがん種や、テロメライシン®で効果が得られにくかったがん、間質細胞の多い難治がんなど、アンメット・メディカル・ニーズを充実させる治療薬へと開発してゆきたいと考えています。
※がん抑制遺伝子p53
ヒトが持つがん抑制遺伝子の中でも最も強力な遺伝子であり、細胞内のDNA修復や細胞増殖の停止の機能を持っています。また、傷の修復ができない細胞においては、細胞の自然死(アポトーシス)を誘導し、異常な細胞を排除させる働きを担っていることが知られています。
対象疾患
各種固形がん
開発の状況
前臨床試験の段階です。
進捗に関しては、「パイプラインの概要:パイプラインの進捗一覧 」をご参照ください。
開発進捗に関する詳細は、決算短信末尾にあります「研究開発状況」をご参照ください。